音響やオーディオ技術に関する専門用語、音響やオーディオの研究開発において必須な物理、数学等の学問で用いられる用語、音響やオーディオ技術のトレンドとして注目している技術に関する用語などを紹介します。
Bluetooth LE Audio / LC3
「Bluetooth LE Audio」とは、長らく使われてきた従来のBluetoothオーディオ規格(Classic Audio)を再定義する新しい規格です。この規格は、Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)と呼ばれるBluetoothに関わる技術や商標に関するライセンス供与を統括する標準化団体によって策定されています。
今回は、Bluetooth最新のオーディオ規格である「Bluetooth LE Audio」と、標準オーディオ・コーデックとして採用された「LC3」を紹介します。Bluetoothオーディオ規格策定の変遷や、その背景を踏まえた上で、オーディオ規格の内容を理解すれば、ワイヤレス化によってオーディオ民生機器が今後どのように変革されていくかについて、考えを深めることができると思います。
1. これまでの変遷と規格策定の背景
何のために策定された規格なのか、その目的と背景を知ることは、オーディオ民生機器の今後の可能性が見えてくるため、非常に重要だと考えています。また、その背景を知るためには、これまでの変遷についても理解をしておくことが必要です。
1998年に発表されて以来、データ通信速度の向上や、低消費電力化など、 Bluetoothオーディオ規格は大きな進化を遂げてきました。今では、ワイヤレスヘッドホンやワイヤレスイヤホンなどで、Bluetooth搭載は当たり前となりました。しかし、現状に至るまでには様々な変遷がありました。 その背景には、携帯電話のビジネスツールから消費者必需品への変化、携帯電話からスマートフォンへの革新的進化、音楽業界におけるダウンロード再生から音楽ストリーミングへの革新、などがあります。
2014年以降は、完全ワイヤレスイヤホン登場がきっかけとなり、Bluetooth ICの開発はもちろん、MEMSマイクロホン、小型トランスデューサー、アクティブノイズキャンセル、エコーキャンセルなどのデジタルオーディオ処理技術が進化してきました。Bluetooth規格の標準化団体であるBluetooth SIGでは、今後20年に予想されることを考慮し、規格の進化を検討してきました。そのベースにあるのは、実は補聴器が何年も解決すべき課題として取り上げてきたものなのです。例えば、低消費電力、会話検出、ノイズリダクション、低遅延、より高い音質、安定した接続などです。そして、完全ワイヤレスイヤホンからヒアラブルデバイスへの進化に伴い、さらに技術開発が進んでいくことが予想されます。こういった長期的な発展を推し進めるために規格化されたのが、Bluetooth LE Audioです。
2. 特徴
Bluetooth LE Audioの特徴は、機能として「低遅延」「高品質コーデック」の2つ、サービスとして「マルチ・ストリーム」「ブロードキャスト」の2つが、挙げられています。これら4つの特徴は、補聴器を想定したものであると考えると腑に落ちます。それでは、それぞれの特徴について解説していきます。
<機能としての特徴>
・ 低遅延
低遅延を実現できるキーは、「LE Isochronous Channels」という新しい伝送方式です。詳細は後述しますが、この方式では、リアルタイムに必要なデータを優先的に送信することで、常に一定のデータ量が継続的に伝送される状態にすることができます。ある周期で継続的に伝送できるので、スマートフォンとオーディオデバイスの間のデータ伝送を時間同期することが可能となります。データ伝送の周期を短く設定すれば、従来のClassic Audioに比べて低遅延を達成することも可能となります。ただし、気をつけないといけないのは、遅延だけにフォーカスするのではなく、音質と、接続の堅牢性を考慮した上で設定する必要がある点です。また、スマートフォンとオーディオデバイスの間のデータ伝送の周期を短くすることで、プロセッサーの処理負荷が大きくなる可能性があることも考慮しなければなりません。もちろん、補聴用途において、リアルタイム性は大事な要素です。したがって、遅延はできる限り少なくするに越したことはありません。
・高品質コーデック
標準コーデックとして採用された「LC3」について解説します。 LC3は、Classic Audioにおける標準コーデックであるSBCと比較して、低いビットレートでも同等の音質が実現可能なのが特徴です。では、低ビットレートは何が良いのか?を紐解いていきましょう。まず、伝送データ量を減らすことができるので、低消費電力となります。さらに、安定した伝送を実現することができます。補聴用途であれば、長時間使用が前提となり、低消費電力が要件の一つとなるのは明らかです。また、音声の途切れがコミュニケーション阻害となってはいけないので、安定した伝送が要件となるのも納得できます。一方で、純粋なオーディオ再生にフォーカスして考えると、決してSBCよりも音質が良いわけではなく、あくまでLossyな圧縮コーデックである点は気をつける必要があります。
<サービスとしての特徴>
・マルチ・ストリーム
昨今のイヤホン市場を席巻している完全ワイヤレスイヤホンでは左右独立伝送が必須となっています。これまでチップベンダー各社は、独自の伝送方式を開発し、この要求に対応してきました。そして、左右独立伝送の接続性や堅牢性の性能で差別化を図ってきましたが、Bluetooth ICの選択に制約が生じていました。また、従来のClassic Audioでは、スマートフォンとオーディオデバイスの間は単一ストリームしか伝送できませんでしたが、マルチ・ストリームでは複数ストリームを伝送することが可能となり、左右独立伝送や複数のスピーカーへの同時ストリーム伝送が実現できるようになります。マルチ・ストリームの標準規格化により、Bluetooth ICの選択の自由度が向上することが期待されます。
・ブロードキャスト
多人数に同時伝送できるブロードキャストに対応します。これまでの規格は、双方向ではあるが1対1の通信でした。ブロードキャストへの対応により、様々なユースケースでの活用が期待されます。例えば、テレビから複数のヘッドホンに同時伝送すれば、同じコンテンツを複数人で楽しめるようになります。また、劇場や店舗での商業利用、広場や駅・空港といった場所でのアナウンスなど、公共施設で同時に同じ情報を伝えることができるようになります。社会全体に大きな影響をもたらす可能性がありそうです。
3. 伝送技術とプロトコル
Bluetooth LE Audioでは、2つのキーとなる技術があります。 それは、「LE Isochronous Channels」と「Enhanced Attribute Protocol(EATT)」です。
特に前者のLE Isochronous Channelsは、マルチ・ストリームやブロードキャスト機能を実現するための新しい伝送方式です。長期的な展開を踏まえて柔軟なシステムを作ろうとすると、仕様の柔軟性を高める必要があり、それはすなわちアーキテクチャそのものを根本的に考え直すことにつながります。LE Isochronous Channelsではあらゆる種類のオーディオ信号を伝送できるIsochronous Audio Streamを数多く構築することが出来ます。下図に示すようなConnected Isochronous Stream(CIS)によりマルチ・ストリームが実現でき、Broadcast Isochronous Stream(BIS)によりブロードキャスト機能が実現できます。また、従来のステレオオーディオ伝送に使われていたA2DPと全く異なるのは、時間同期である点です。この伝送方式では、オーディオデータをあるインターバル毎に時間同期で送ることができます。そして、インターバルの設定により、オーディオ伝送による遅延のコントロールも可能となります。
Isochronous Interval(Iso Interval)と呼ばれるインターバル毎にスマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間でデータ通信を行うことで、時間同期のマルチストリームが実現できます。CentralからPeripheral、PeripheralからCentralの双方向通信をまとめてSubeventと呼び、次のSubeventまでのインターバルはSub Intervalと呼んでいます。また、複数のSubeventを合わせてCIS Eventと呼びます。
Isochronous Interval(Iso Interval)と呼ばれるインターバル毎にスマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間でデータ通信を行うことで、時間同期のブロードキャスト機能が実現できます。CentralからPeripheralの単方向通信をまとめてBIS Subeventと呼び、次のBIS SubeventまでのインターバルはSub Intervalと呼んでいます。複数のBIS Subeventを合わせてBIS Eventと呼びます。
後者の「Enhanced Attribute Protocol(EATT)」は、Bluetooth Low Energyの標準属性プロトコル(ATT)を拡張し、複数のATTプロトコルを同時に実行できるようにしたものです。 ATTとは、スマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間の一対一の通信プロトコルです。それぞれAttribute(属性)データを持っており、双方の確認のためにその属性のやり取りをするプロトコルです。 従来のATTは、一度に1つのコマンドしか発生しないことを前提としています。そのため、複数のコマンドが発生した場合、2つ目のコマンドが遅れる可能性がありました。これを回避するためにEATTが追加され、複数のコマンドを同時に通信することができるようになります。双方向通信において、互いの属性確認を複数かつ同時に実行できる点は、マルチ・ストリームやブロードキャスト機能の実現の基盤となります。
4. 製品への実装
これまでBluetooth LE Audioに関する説明をしてきました。では、実際に我々を取り巻く製品にどのように実装されていくのでしょうか。従来のClassic Audioと新しい音声規格であるLE Audioは両立出来るのか、はたまた置き換わっていくのか。さらにオーディオ用途におけるコーデックはどのように進化をしていくのか。スマートフォンなどのソース機器側の対応はどれくらい進んでいくのか、それを受けるオーディオデバイスの対応はどうなのか。これらが進化することで、ユーザーのオーディオ体験や音による生活の質の向上に寄与できるのではないかと考えています。我々も引き続き市場の動向を見ながら製品開発を行っていきます。
<参考文献>
Nick Hunn著
『Introducing Bluetooth LE Audio』
Released January 2022
ISBN-13:979-8727237250
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PKRXRLQ
Bhalla, Himanshu/ Haggai, Oren著
『Unraveling Bluetooth LE Audio』
Released March 2021
ISBN: 9781484266588
https://product.rakuten.co.jp/product/-/259fb1e1b63d4c0c5bfb677f1309bdf2/
ゆずからす
Bluetooth LE Audio / LC3
「Bluetooth LE Audio」とは、長らく使われてきた従来のBluetoothオーディオ規格(Classic Audio)を再定義する新しい規格です。この規格は、Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)と呼ばれるBluetoothに関わる技術や商標に関するライセンス供与を統括する標準化団体によって策定されています。
今回は、Bluetooth最新のオーディオ規格である「Bluetooth LE Audio」と、標準オーディオ・コーデックとして採用された「LC3」を紹介します。Bluetoothオーディオ規格策定の変遷や、その背景を踏まえた上で、オーディオ規格の内容を理解すれば、ワイヤレス化によってオーディオ民生機器が今後どのように変革されていくかについて、考えを深めることができると思います。
1. これまでの変遷と規格策定の背景
何のために策定された規格なのか、その目的と背景を知ることは、オーディオ民生機器の今後の可能性が見えてくるため、非常に重要だと考えています。また、その背景を知るためには、これまでの変遷についても理解をしておくことが必要です。
1998年に発表されて以来、データ通信速度の向上や、低消費電力化など、 Bluetoothオーディオ規格は大きな進化を遂げてきました。今では、ワイヤレスヘッドホンやワイヤレスイヤホンなどで、Bluetooth搭載は当たり前となりました。しかし、現状に至るまでには様々な変遷がありました。 その背景には、携帯電話のビジネスツールから消費者必需品への変化、携帯電話からスマートフォンへの革新的進化、音楽業界におけるダウンロード再生から音楽ストリーミングへの革新、などがあります。
2014年以降は、完全ワイヤレスイヤホン登場がきっかけとなり、Bluetooth ICの開発はもちろん、MEMSマイクロホン、小型トランスデューサー、アクティブノイズキャンセル、エコーキャンセルなどのデジタルオーディオ処理技術が進化してきました。Bluetooth規格の標準化団体であるBluetooth SIGでは、今後20年に予想されることを考慮し、規格の進化を検討してきました。そのベースにあるのは、実は補聴器が何年も解決すべき課題として取り上げてきたものなのです。例えば、低消費電力、会話検出、ノイズリダクション、低遅延、より高い音質、安定した接続などです。そして、完全ワイヤレスイヤホンからヒアラブルデバイスへの進化に伴い、さらに技術開発が進んでいくことが予想されます。こういった長期的な発展を推し進めるために規格化されたのが、Bluetooth LE Audioです。
2. 特徴
Bluetooth LE Audioの特徴は、機能として「低遅延」「高品質コーデック」の2つ、サービスとして「マルチ・ストリーム」「ブロードキャスト」の2つが、挙げられています。これら4つの特徴は、補聴器を想定したものであると考えると腑に落ちます。それでは、それぞれの特徴について解説していきます。
<機能としての特徴>
・ 低遅延
低遅延を実現できるキーは、「LE Isochronous Channels」という新しい伝送方式です。詳細は後述しますが、この方式では、リアルタイムに必要なデータを優先的に送信することで、常に一定のデータ量が継続的に伝送される状態にすることができます。ある周期で継続的に伝送できるので、スマートフォンとオーディオデバイスの間のデータ伝送を時間同期することが可能となります。データ伝送の周期を短く設定すれば、従来のClassic Audioに比べて低遅延を達成することも可能となります。ただし、気をつけないといけないのは、遅延だけにフォーカスするのではなく、音質と、接続の堅牢性を考慮した上で設定する必要がある点です。また、スマートフォンとオーディオデバイスの間のデータ伝送の周期を短くすることで、プロセッサーの処理負荷が大きくなる可能性があることも考慮しなければなりません。もちろん、補聴用途において、リアルタイム性は大事な要素です。したがって、遅延はできる限り少なくするに越したことはありません。
・高品質コーデック
標準コーデックとして採用された「LC3」について解説します。 LC3は、Classic Audioにおける標準コーデックであるSBCと比較して、低いビットレートでも同等の音質が実現可能なのが特徴です。では、低ビットレートは何が良いのか?を紐解いていきましょう。まず、伝送データ量を減らすことができるので、低消費電力となります。さらに、安定した伝送を実現することができます。補聴用途であれば、長時間使用が前提となり、低消費電力が要件の一つとなるのは明らかです。また、音声の途切れがコミュニケーション阻害となってはいけないので、安定した伝送が要件となるのも納得できます。一方で、純粋なオーディオ再生にフォーカスして考えると、決してSBCよりも音質が良いわけではなく、あくまでLossyな圧縮コーデックである点は気をつける必要があります。
<サービスとしての特徴>
・マルチ・ストリーム
昨今のイヤホン市場を席巻している完全ワイヤレスイヤホンでは左右独立伝送が必須となっています。これまでチップベンダー各社は、独自の伝送方式を開発し、この要求に対応してきました。そして、左右独立伝送の接続性や堅牢性の性能で差別化を図ってきましたが、Bluetooth ICの選択に制約が生じていました。また、従来のClassic Audioでは、スマートフォンとオーディオデバイスの間は単一ストリームしか伝送できませんでしたが、マルチ・ストリームでは複数ストリームを伝送することが可能となり、左右独立伝送や複数のスピーカーへの同時ストリーム伝送が実現できるようになります。マルチ・ストリームの標準規格化により、Bluetooth ICの選択の自由度が向上することが期待されます。
・ブロードキャスト
多人数に同時伝送できるブロードキャストに対応します。これまでの規格は、双方向ではあるが1対1の通信でした。ブロードキャストへの対応により、様々なユースケースでの活用が期待されます。例えば、テレビから複数のヘッドホンに同時伝送すれば、同じコンテンツを複数人で楽しめるようになります。また、劇場や店舗での商業利用、広場や駅・空港といった場所でのアナウンスなど、公共施設で同時に同じ情報を伝えることができるようになります。社会全体に大きな影響をもたらす可能性がありそうです。
3. 伝送技術とプロトコル
Bluetooth LE Audioでは、2つのキーとなる技術があります。 それは、「LE Isochronous Channels」と「Enhanced Attribute Protocol(EATT)」です。
特に前者のLE Isochronous Channelsは、マルチ・ストリームやブロードキャスト機能を実現するための新しい伝送方式です。長期的な展開を踏まえて柔軟なシステムを作ろうとすると、仕様の柔軟性を高める必要があり、それはすなわちアーキテクチャそのものを根本的に考え直すことにつながります。LE Isochronous Channelsではあらゆる種類のオーディオ信号を伝送できるIsochronous Audio Streamを数多く構築することが出来ます。下図に示すようなConnected Isochronous Stream(CIS)によりマルチ・ストリームが実現でき、Broadcast Isochronous Stream(BIS)によりブロードキャスト機能が実現できます。また、従来のステレオオーディオ伝送に使われていたA2DPと全く異なるのは、時間同期である点です。この伝送方式では、オーディオデータをあるインターバル毎に時間同期で送ることができます。そして、インターバルの設定により、オーディオ伝送による遅延のコントロールも可能となります。
Isochronous Interval(Iso Interval)と呼ばれるインターバル毎にスマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間でデータ通信を行うことで、時間同期のマルチストリームが実現できます。CentralからPeripheral、PeripheralからCentralの双方向通信をまとめてSubeventと呼び、次のSubeventまでのインターバルはSub Intervalと呼んでいます。また、複数のSubeventを合わせてCIS Eventと呼びます。
Isochronous Interval(Iso Interval)と呼ばれるインターバル毎にスマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間でデータ通信を行うことで、時間同期のブロードキャスト機能が実現できます。CentralからPeripheralの単方向通信をまとめてBIS Subeventと呼び、次のBIS SubeventまでのインターバルはSub Intervalと呼んでいます。複数のBIS Subeventを合わせてBIS Eventと呼びます。
後者の「Enhanced Attribute Protocol(EATT)」は、Bluetooth Low Energyの標準属性プロトコル(ATT)を拡張し、複数のATTプロトコルを同時に実行できるようにしたものです。 ATTとは、スマートフォンなどのソース機器を指すCentralと、イヤホンなどのオーディオ機器を指すPeripheral間の一対一の通信プロトコルです。それぞれAttribute(属性)データを持っており、双方の確認のためにその属性のやり取りをするプロトコルです。 従来のATTは、一度に1つのコマンドしか発生しないことを前提としています。そのため、複数のコマンドが発生した場合、2つ目のコマンドが遅れる可能性がありました。これを回避するためにEATTが追加され、複数のコマンドを同時に通信することができるようになります。双方向通信において、互いの属性確認を複数かつ同時に実行できる点は、マルチ・ストリームやブロードキャスト機能の実現の基盤となります。
4. 製品への実装
これまでBluetooth LE Audioに関する説明をしてきました。では、実際に我々を取り巻く製品にどのように実装されていくのでしょうか。従来のClassic Audioと新しい音声規格であるLE Audioは両立出来るのか、はたまた置き換わっていくのか。さらにオーディオ用途におけるコーデックはどのように進化をしていくのか。スマートフォンなどのソース機器側の対応はどれくらい進んでいくのか、それを受けるオーディオデバイスの対応はどうなのか。これらが進化することで、ユーザーのオーディオ体験や音による生活の質の向上に寄与できるのではないかと考えています。我々も引き続き市場の動向を見ながら製品開発を行っていきます。
<参考文献>
Nick Hunn著
『Introducing Bluetooth LE Audio』
Released January 2022
ISBN-13:979-8727237250
https://www.amazon.co.jp/dp/B09PKRXRLQ
Bhalla, Himanshu/ Haggai, Oren著
『Unraveling Bluetooth LE Audio』
Released March 2021
ISBN: 9781484266588
https://product.rakuten.co.jp/product/-/259fb1e1b63d4c0c5bfb677f1309bdf2/
ゆずからす